今回は精神障害と聴覚障害を抱えながら働いている著者の経験をひもときながら重複障害者の就労のヒントを探ります!
この記事を書く理由
以前の記事では聴覚障害と統合失調症の大まかな困難や症状を取り上げました。しかし、就労については大雑把でしたので、今回の記事で詳しく書きたいと思います。
統合失調症を発症してから就労し始めた
著者は聴覚障害者専用の短大を卒業してから別の4年制大学を目指していたのですが、卒業後半年後に統合失調症となりました。その頃はマクドナルドでアルバイトをしていましたが、本格的な就労は統合失調症になってからでしたのでかなり大変でした。
治療のかいあって症状が治まったのち、短大で学んだプログラミングなどの知識を生かしたくてシステムエンジニアの職に障害者枠で採用されました。しかし、朝礼や会議での発言が聞き取れなかったり、上司や同僚とのコミュニケーションも全く経験がなかったためかなり厳しいものでした。今思えば敬語もなっていませんでしたし、聞こえないときにどうしたら良いかも全く分かっていませんでした。経験を重ねた今となっては敬語もそれなりに使えるようになりましたし、補聴器をつけている時に聞こえなかったら「大きな声でハッキリとゆっくりめに」話して頂けるようお願いするスキルもそれなりに身についているとは思います。また、この頃は統合失調症の症状はそんなに強くはありませんでした。恥ずかしいお話ですが、おそらく身を入れて働いていなかったためでしょう。
少しずつ就労の経験が付き始めた
その後は北海道や札幌市などで障害者枠の職員採用試験に挑戦しましたが全敗しました。不採用が分かったその日にハローワークで法律の仕事ができる会社を探したら大手の社労士法人が見つかり、申し込んだらあっという間に採用が決まりました。一般枠での採用でしたので、統合失調症は伏せていました。その時に初めて法律職に社会保険労務士があると知り、資格勉強もしながら必死に働きました。しかし、補聴器をつけての仕事は大変でした。話し方に配慮を求めてもその通りにしてくれる方ばかりではありませんでしたし、配慮通りに話して頂いても聞き取れない箇所があるのは当たり前のことでした。それで行き違いやミスがあり、それがストレスにつながり、週40時間勤務でしたのでその疲れと相まって統合失調症の症状が悪化するという悪循環でした。妄想や幻聴はしょっちゅうでしたし、頭も回らず本当に頑張り過ぎるくらい頑張ったと思います。結局、その会社は吐いたり、胃腸の病気になったりしたこともあって退職しました。
次回に続きます。