今回の記事は著者が持っている心の病気「統合失調症」について解説します!
統合失調症は誰もがなりうる心の病気
統合失調症は「一つの行動に対して全ての精神能力を統合していくことが難しい心の病気」です。情緒不安定に見えたり、思いも寄らぬ行動を取ったり、端から見ればこの人の本当の性格ってなんだろうと思われるかもしれません。しかし、本人は様々な症状が出て苦しんでいるだけであって、人格は全く変わっていません。
10代20代に発症する人が多く、100人に1人が罹ると言われています。この病気になり易い体質と高いストレスが相まって発症するとされています。
統合失調症の症状
この病気の症状は陰性症状と陽性症状が有名です。
陰性症状とは気分が落ち込んだり、感情が出なくなったりします。
陽性症状とは幻覚や妄想です。幻覚は幻聴が多いのですが、これは他人には聞こえない声が本人だけに聞こえます。妄想は関係妄想(職場で周りの人が自分の噂話をしていると考えるなど)などがあります。他にも考えがまとまらず、話の内容が順序立っていなかったり、話がとんだりする症状もあります。
統合失調症の治療
昔は治療薬が無くて不治の病と恐れられましたが、今はたくさんの治療薬があり、回復する人が多いです。脳のホルモンの分泌バランスが崩れることで発症するとされており、そのバランスを整える治療薬が近年、進化を続けています。舌の裏で溶かす治療薬もありますし、液体タイプや注射するタイプ、24時間効果が持続するカプセルタイプなど、飲み続け易い治療薬が出ています。治療薬を飲むと症状が治まるため、治ったと勘違いして飲むのを止めてしまう人が多いためです。
治療薬以外にも考え方を変える認知行動療法やカウンセラーなどがあります。特に認知行動療法は考え方を変えることで仕事や生活の困りごとを解決するもので、コミュニケーションを学ぶSST(Social Skills Training)、病気の患者が集まって知恵を出し合う当事者研究などがあります。
最後に
統合失調症は症状が見えないがゆえに長い間差別や偏見にさらされた病気でもあります。それは今も根強く残っていますが、2022年度から高校の保健体育で心の病気についての授業を行うことになるなど、改善の兆しはあります。心の病気を抱えている方の就労も盛んになっており、これについては次回取り上げます。
心の病気の厚労省HPはこちら。