今回は心の病気を抱えている精神障害者の就労支援について紹介します!
IPSモデルとは
精神障害者の就労支援の先進的な考えとはIPSモデルのことです。アメリカで科学的手法に基づいて考案されたもので、以下8つの原則があります。
1.一般就労をする・・・誰もが精神障害の重さにかかわらず、一般就労をすることができる
2.仕事を始める時期は本人の選択による・・・一般就労は本人がしたいと思うときにいつでもすることができる
3.IPSモデルは精神保健サービスと統合されている・・・就労支援は精神保健サービスと密接に連携されている
4.本人の好みを優先する・・・一般就労は本人の望む職を優先する
5.経済的カウンセリングを行う・・・障害年金や福祉など障害者支援サービスの情報を本人に提供する
6.迅速な職探し・・・就労継続支援A型やB型に通ってから一般就労をするのではなく、いきなり一般就労をする
7.職場開拓・・・支援者は本人の好みに合わせた職場を提供できるように職場を開拓する
8.無期限の個別支援・・・期限なく支援を行う(注:日本の場合、一般就労後、最長3年6か月【就労定着支援】)
IPSモデルの成果は
この考えに基づいた支援を行ったところ、一般就労率は増加し、入院や脱落率は増加せず、医療費が少なくなり、デイケアよりも良い回復結果が得られたそうです。一般就労を行うことが何よりの薬となり、本人の生活の質は良くなるのです。
IPSモデルの実施場所は
日本の場合、IPSモデルを実践しているところはまだまだ少ないのが現状ですが、こちらから検索できます。札幌ではコンポステラやホワイトストーンのみです。ちなみに著者は自宅から近いコンポステラを利用して一般就労をしました。
IPSモデルを利用した感想
著者がIPSモデルを利用して社労士事務所へ一般就労をしたのは、支援者が精神障害があっても一般就労は可能だとの熱意をお持ちだったからです。今はコンポステラは利用していませんが、重い精神障害を持っていても一般就労が可能との原則は今でも頭に刻み込まれています。
まとめ
IPSモデルは支援者の能力や本人への偏見のない視点が必要でかなりの労力を必要としますが、本人の就労支援には大きな勇気となります。国の施策として推進し、精神障害者だけでなく、全ての障害者や就労に自信がない人に向けて実践されるべきではないでしょうか。