今回は聴覚障害を抱えていても内科医として活躍なさっている今川竜二さんの仕事風景をご紹介します!
今川さんのコミュニケーションは何が中心か
今川さんは聴力が両耳ともに110dBで補聴器をつけてはいますが、音は聞こえていてもどんな音かは分からないそうです。そのため、話相手の口の動きを読み取る口話法が中心です。補助的にスマホの音声認識機能や、診察の際はスマホで心臓の波形が表示される聴診器を使用しています。今川さんは手話が使えるようですが、周りに手話を一から覚えてくれた看護師の方がいらしゃるものの、手話を使える方はほぼいない状況です。
今川さんがコミュニケーションで工夫していること
コロナ禍でのマスク着用はコミュニケーションの壁になっているようで、感染のリスクが少ない方はマスクを外してもらい、それ以外の方は小型のホワイトボードでの筆談を行っています。一部が透明なマスクの開発もマスクの会社に依頼されているようで、アメリカから透明マスクを輸入したりして工夫なさっているそうです。カンファレンス(患者の症例を複数の医者が検討する会議)など、多人数での会話は苦手で、今川さんが担当している患者さんの時は周りの医師がゆっくり話してくれたり、筆談をしてくれたりしているそうです。あとはカンファレンスの後に、気になる患者さんのカルテを読んでいるそうです。
今川さんが医師になった理由
今川さんは家族で唯一聴こえず、学校は小学から(ろう学校ではない)普通学校でした。その頃は医師法の欠格条項で聴覚障害者は医師になれなかったものの、高校一年の時に欠格条項が撤廃されました。小さい頃からブラックジャックに憧れていて、欠格事由の撤廃を機に医師になったそうです。医学部卒業後は研修医として2年勤めていましたが、コミュニケーションの限界を感じて医学本の編集者に転向しました。しかし、人と関わりたいとの思いを捨てきれず、医師不足で悩んでいる地域で勤務する決意をしたそうです。
印象的だった言葉
この記事の参考にした動画を見て印象的だったのが、今川さんの周りへの感謝でした。コミュニケーションの壁を越えようともがきながらも周りに支えられている今川さんは周りのお陰で今の自分があるとおっしゃっていました。障害があろうとなかろうと、人間は1人で生きてはいけないのだと思いました。
この記事の参考動画はこちらです。