今回は聴覚障害を抱えていながらも弁護士として活躍なさっている、久保陽奈さんと松田峻(りょう)さんの仕事風景をご紹介します!
2人のコミュニケーション方法
久保さんは中途失聴(後天的に病気などで聞こえなくなること)です。そのため、仕事でのコミュニケーションはスマホを使って音声を文字化しています。多人数での会話はマイクや各自のスマホで音声を久保さんのスマホに届けて、久保さんのスマホで音声認識機能を使った文字化を行っているそうです。松田さんは先天性の難聴です。手話を使えるものの、仕事でのコミュニケーションはメールや筆談、FAX、手話通訳、スマホの音声認識アプリを使っているそうです。
2人がコミュニケーションで工夫していること
依頼者や裁判官、検察官、被告など仕事で関わる方とコミュニケーションを取る時は、伝えることに主眼を置いて、コミュニケーションで抜け漏れがないように心掛けているそうです。例えば、久保さんは、要約筆記では伝えたいことの半分しか伝わらないため、全文を文字化することを意識しているそうです。
筆者が思うこと
ここまで聴覚障害を抱えている医師と弁護士のコミュニケーション方法を紹介してきました。前回の記事でも書いたように、(これまでの経験から、)私はスマホやタブレットなどの音声を文字化するツールを使ったり、チャットやメールなどパソコンに代表される文明の利器、電話の内容を通訳してくれる電話リレーサービスなどをフル活用してコミュニケーションを図っていくのがベストだと考えていますが、ご紹介した3人に共通するのは人によってベストなコミュニケーション方法は異なると言うことです。どれが間違いで、どれが正しいと結論づけることはできません。自分に合ったコミュニケーションを自分で確立し、その方法を技術の進歩も借りつつ、貫いていくしかないのではと思います。補聴器がいいと言う方もいらっしゃるでしょうし、文字がいいと言う方もいらっしゃるでしょう。他人の意見にこだわることなく、我が道を貫いて自分が心地よいと感じるコミュニケーション方法を目指すのが一番ではないでしょうか。