以前の記事で年収の壁について解説しましたが、令和5年10月20日から壁を一時的に解決する助成金の申請受付が始まりました。今回はその助成金について解説します。
助成金の名前は?
助成金はキャリアアップ助成金の新設コースとして設けられました。コース名は「社会保険適用時処遇改善コース」です。
助成金の中身は?
全部で3種類あります。
1種類目が「手当等支給メニュー」です。社会保険が適用される年収を超える勤務をした場合、減った手取り額を補うものとして手当などと言う形で対象の従業員に支給した場合に出ます。条件は、1年目に賃金(標準報酬月額と標準賞与額)の15%以上を追加で支給すること、2年目に1年目と同じく15%以上を支給し続け且つ3年目以降に3年目の条件を取り組むこと、3年目に賃金の18%以上を支給していること(労働時間の延長との組み合わせも可能)、が必要です。これらの取り組みを6ヶ月継続した後2ヶ月以内に申請をすれば、一人あたり、中小企業は1、2年目は1年に20万円、3年目は6ヶ月分のみの支給で10万円です。
2種類目が「労働時間延長メニュー」です。労働時間を延長して社会保険を適用させた場合に支給されます。1週間に1時間以上2時間未満延長して且つ賃金を15%以上増額した場合、1週間に2時間以上3時間未満延長して且つ賃金を10%以上増額した場合、1週間に3時間以上4時間未満延長して且つ賃金を5%以上増やした場合、1週間に4時間以上延長した場合が必要です。これらの取り組みを6ヶ月間継続した後2ヶ月以内に申請すれば、一人あたり、中小企業は6ヶ月分のみの支給で30万円が支給されます。
3種類目が1、2種類目の併用です。1、2年目に賃金の15%以上を支給し、2年目に上記の2種類目の取り組みを行えば、中小企業で1年目は20万円、2年目は6ヶ月分のみの支給で30万円が支給されます。
これらはキャリアアップ助成金の一部ですので、継続した取り組みが必要である点に注意が必要です。就業規則などで労働者に周知する必要もあります。
こちらの厚労省のHPに概要が載っています。参考になさって下さい。
この助成金は2025年の法改正をにらんだ一時的な措置です。現段階では恒久的な措置となるかは分かりませんが、申請を考えている方は検討された方が良いでしょう。
この投稿記事についての《問合せ》は
●「電話:011-748-9885 」 又は 「こちらのフォーム(メール)」でお申込み下さい。
株式会社ファウンダー / 社会保険労務士法人ファウンダー
受付時間 平日 9:00-20:00(土日祝も対応可)
所在地〒007-0849 北海道札幌市東区北49条東13丁目1番10号