昨今、人材不足により障害者雇用が注目されています。そこで、今回は聴覚障害者の就労状況にポイントを絞り、聴覚障害者の就職についての解説を進めていきます。
聴覚障害者の就労状況について
「聴覚障害者」の就労状況はこちらの厚労省の統計が参考になります。
それによると、聴覚障害者(及び平衡機能障害者)の令和4年の就労者数は34,059人です。
就労している障害者数は、障害者雇用促進法で定められている雇用義務率が近年上がっており、年々増加傾向にあります。
そこで今回はこの記事を含めて5回に渡って聴覚障害者の就労状況について、求人の情報収集方法や面接時と就職後のコミュニケーションの取り方、キャリアアップの方法、成功事例について紹介していきます。
聴覚障害を抱える方とのコミュニケーションをとっていく際に、聴覚障害について最低限知っておいた方が良いことがあるでしょう。そこで最初に聴覚障害の程度及び種類について紹介します。
「聴覚障害」の程度及び種類について
「聴覚障害」とは先天的、または後天的に何らかの障害や病気で聴こえが悪くなることです。
聴覚障害の程度について
医学的には聴力(デシベル:dB)によって軽度や中度、高度、重度に分類されます。
1,軽度の聴覚障害
軽度の聴覚障害(25dB以上40dB未満)とは、小さな音や声で聞き取りづらくなり補聴器が必要かもと感じるレベルです。
2,中度の聴覚障害
中度の聴覚障害(40dB以上70dB未満)とは、普通の音や声で聞き取りづらさを感じ、補聴器が必要となるレベルです。
3,高度の聴覚障害
高度の聴覚障害(70dB以上90dB未満)とは、補聴器がないと聞き取れず、なおかつ聞き取りづらさを感じるレベルです。
4,重度の聴覚障害
重度の聴覚障害(90dB以上)とは、補聴器をつけても聞き取れないことが多いレベルです。
聴覚障害の種類について
更に「聴覚障害」の種類には説明をします。「聴覚障害」には「伝音性難聴」と「感音性難聴」の二種類があります。
1,伝音性難聴
「伝音性難聴」とは、耳の音を物理的に伝える器官に障害などがあります。この場合は補聴器をつけることで緩和されるケースが多いです。
2,感音性難聴
「感音性難聴」とは、音を脳に伝える神経などに障害があります。この場合は何かしらの音か聴き取りづらいケースが多いです。
聴覚障害を抱える方への配慮
ここで注意して頂きたいのは、聴覚障害と言っても聞こえ方は千差万別であり、周りの方々が想像するように「補聴器をつければ全ての音が聴こえるという方」もいれば、「補聴器をつけて音は聴こえていたとしても、何かしらの音が聴き取りづらい方」もいらっしゃいます。
大切なのは個々人の聴こえ方に合わせて話し方を変えたり、筆談やスマホの音声認識機能などを使って文字化するなど、補聴器をつけているから大丈夫だと思い込まず、聴覚障害に対する配慮を柔軟に行っていくことです。
まとめ
「聴覚障害」は、外から見えにくい障害です。
とは言え、誰もが聴覚障害について詳しいとは限りませんし、補聴器をつけて聞き取りづらい方もいる等知っている人は更に少ないでしょう。聴覚障害を抱えている方への個々人に合わせた配慮も当然ながら、聴覚障害を抱える方からもどのようなコミュニケーションを取った方がやり易いかを周辺の方々に積極的に伝えていくなど、円滑なコミュニケーションを図る努力を双方で行っていくことが大切だと思います。
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