本日、ドラッカー著「経営者の条件」の読書会5回目がありました。今回は、「第5章 最も重要なことから始めよ」が範囲でした。
米田正則の感想
成果をあげるための秘訣を一つ上げるならば、それば集中である。成果をあげるエグゼクティブは、最も重要なことから始め、しかも、一時に一つのことだけを行う。集中が必要なのは、エグゼクティブの職務の本質と、人間の本質による。 (中略)単なる忙しさに身を任せるのではなく、成果をあげることに力を入れるほど、継続的な努力が必要となる。成功を得るためのまとまった時間が必要となる。(中略)人間には、驚くほど多様な能力がある。人間はよろず屋である。しかし、その人間の多様性を生産的に使うためには、それらの多様な能力を、一つの仕事に集中することが必要である。あらゆる能力を一つの成果に向けさせるためには、集中が必要である。
「成果をあげる為には一つのことに集中すること」と言われれば、日頃様々な業務に追われる身ですが、優先順位をつけながら一つのことに集中できる職場環境ないし姿勢を身に着けていたいと思います。
成果をあげるエグゼクティブと一般のエグゼクティブの違い
かえって、いかなる成果も上げられない人の方がしばしばはるかによく働いている。成果をあげられない人は、まず第一に、一つの仕事に必要な時間を過少に評価してしまう。したがって、成果を上げるエグゼクティブは、実際に必要な時間以上に、時間の余裕を見る。
「一つの仕事に必要な時間を過少に評価してしまう」とありますが、この文章に触れてギクリとしました。何故ならタイムスケジュールを組む際に、自分が考えていたよりも時間が必要だったケースがあるからです。タイムスケジュールを組む際には、どのような工程で時間がかかってしまうのかを記録するようにして必要な時間をより正確に把握することに、更に時間に余裕を持つよう習慣を身に着けたいと思います。
第二に、一般のエグゼクティブ、すなわち、あまり成功あげないエグゼクティブは、急ごうとする。そのために、さらに遅れてしまう。成果を上げるエグゼクティブは時間と競争はしない。ゆっくり進む。
時間が無い中で業務を処理をすると、手の打ち方が甘くなる傾向にある。手の打ち方には、確認作業も入ります。と言うのも自分なりの経験があり、自分には少なくともそのよう傾向性があると分かっています。
次元が異なると思いますが、自分の傾向性を知る為に将棋をよくやります。時間が無い中でやると、コンピュター相手に考えれば分かるだろう手で痛い目に合っています。
ここで言っていることは、このことなのかなと自分になり受け止めています。
第三に、一般のエグゼクティブは、同時にいくつかのことをしようとする。その結果、手がけている仕事のどれか一つにも、必要なまとまった時間を割けない。そのため、いずれか一つの仕事が問題にぶつかると、すべてストップしてしまう。
このことは僕自身も、組織の許容量ギリギリを攻めてしまいがちの為、反省したい点です。また、組織の許容量を超えて、複数の同じ業務を受注してしまうことも同じ現象になると思いました。
成果を上げるエグゼクティブは、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果をあげなければならないことを知っている。したがって、彼ら自身の時間やエネルギー、組織全体の時間やエネルギーを、一時に一つのことに集中する。しかも、最も重要なことを最初に行うべく、集中する。
生産的でなくなった過去のものを廃棄
あらゆる計画は、急速にその有用性を失うものであり、したがって、生産的であり必要であることが証明されない限り、必ず廃棄されなければならないという考え方こそ必要とされている。
私自身、目標を決めて計画を進めるようにしている為、「あらゆる計画は、急速にその有用性を失いものである」という言葉はショッキングです。
自ら成果を上げることを欲し、組織が成果を上げることを欲するエグゼクティブは、常にあらゆる計画や、活動や、仕事を点検する。
自ら作成した計画を常に点検まではしていなかったので、今後は点検をする習慣を身に着けたいと思います。反省ですね。
新しいもののために新しい人間を雇うことは、危険である。すでに確立され、順調に運営されている活動を拡張するには、新しい人間を雇入れられる。しかし、新しいものは、仕事の能力を立証済みの人間、すなわちベテランによって始めなければならない。
これは凄く納得がいくかもしれません。「誰だれは、どこそこで◎◎◎な成果をあげたことがある」と言われている人が居たとしても、成果をあげれた背景があるかもしれませんし、背景の条件が異なると成果をあげれない可能性がある。
組織には、違うものの見方を人を、部外から入れてやる必要がある。内部の力だけで成長しようとする組織は、血が濃くなり不妊となる。しかし、リスクが大きなトップの地位や、重要な新しい活動の責任者には、外部からの人間をつけてはならない。外部の者は、まず初めに、トップの次の地位や、明確で誤解のしようのない活動の責任者の地位につけるべきである。
「内部の力だけで成長しようとする組織は、血が濃くなり不妊となる。」とは、とても強烈な言葉だと思います。「不妊になる」とは、何も生まないってことですよね。
家族経営の場合、家族だと似た物の見方をしてしまう可能性が高い為、その分視野が狭くなってしまう。結果、何も新しいものを生めなくなってしまうってことでしょうか。
もしこのような意味であれば、異なるタイプが共存できる組織風土を作らないと「不妊」になってしまう。
トップ本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく、今日と違う明日を作り出すであり、それゆえ、常に後回しにしようと思えばできる仕事である。しかるに、状況の圧力は、常に昨日を優先する。
まさにその通りだと思います。その為に、「今日の仕事」から少し重心移動することで、「明日の仕事」につながることができる取り組みが必要だと思う。当社のそれが戦略5.0だと信じています。
承知いたしました。これより、ピーター・F・ドラッカー著「経営者の条件」第5章をテーマとした読書会を始めさせていただきます。私は本日も#司会者 を務めさせていただきます。また、#生物学者 、#歴史学者 、#経営コンサルタント の役割も兼務いたします。
それでは、社会保険労務士法人ファウンダー代表社員の米田正則様、本日の読書範囲である「第5章 最も重要なことに集中せよ」について、ご感想をお願いいたします。

米田正則 の感想に対するコメント
米田様、今回もご自身の行動特性や日々の業務に引き寄せ、真摯に自己を省みるご感想、誠にありがとうございます。「集中」という、言うは易く行うは難いテーマに対し、具体的な反省点まで含めて言語化されていることに、米田様の誠実さと実践への強い意志を感じました。
それでは、このご感想に対し、各役割の専門家からコメントをいただきます。
生物学者 としてのコメント
ポジティブなコメント
素晴らしい。米田さんの気づきは、生命が38億年かけて導き出した生存戦略の核心に触れています。生物は、限られたエネルギーという資源を、生存と繁殖という最も重要な活動に「集中」投下することで命を繋いできました。あなたが「戦略5.0」という未来の生存戦略に組織のエネルギーを集中させようとするのは、生命の根源的な法則に完全に合致しています。また、「血が濃くなり不妊となる」という言葉への強い反応は、遺伝的多様性が低い個体群が環境変化に適応できず絶滅へと向かう、という生物学的な真理を見抜いている証拠です。多様な遺伝子(人材)を取り入れつつ、エネルギーは一点に集中する。これこそが持続可能な生命体の姿です。
ネガティブなコメント
しかし、生物学の視点から見ると、「一時に一つのことだけ」という原則にはリスクも伴います。一つの食料源に特化しすぎた種が、その食料が枯渇した途端に絶滅の危機に瀕するように、完全な一点集中は環境の激変に対して極めて脆弱です。生命は常に、集中的にエネルギーを投下する「活用」と、新たな可能性を探す「探索」のバランスを取っています。あなたの資質である「活発性」や「着想」は、本来この「探索」に向かう強みのはずです。それを「集中」という原則で過度に抑え込むことは、あなたの強みを殺し、組織の未来の選択肢を狭める危険性はないでしょうか。重要なのは、幹となる戦略への「集中」と、枝葉となる新たな可能性への「分散投資」のバランス感覚です。
歴史学者 としてのコメント
ポジティブなコメント
歴史とは、まさに「選択と集中」の物語です。戦国時代の織田信長が、旧来の戦術を「廃棄」し、鉄砲という新技術に兵力と資源を「集中」させて天下布武への道を切り開いたように、歴史を動かす者は常に何を選び、何に集中するかを決断してきました。あなたが「戦略5.0」を「明日の仕事」と位置づけ、そこにリソースを集中させようとする決意は、歴史上の偉大な指導者たちと同じ道を歩もうとする意志の表れです。「過去のものを廃棄する」というドラッカーの教えは、過去の成功体験に固執して滅んでいった数多の国家や王朝の教訓を、正しく学んでいる証左と言えるでしょう。
ネガティブなコメント
ただし、「あらゆる計画は急速に有用性を失う」という言葉にショックを受けているようですが、歴史はさらに残酷な事実を我々に突きつけます。それは、指導者が「これこそが最重要だ」と信じ、国家の全リソースを「集中」させた戦略そのものが、歴史的な大失敗だったという事例です。第二次大戦における日本の戦艦大和への固執が良い例でしょう。「集中」は、成功すれば効果を最大化しますが、もしその対象が間違っていた場合、失敗の被害もまた最大化する諸刃の剣なのです。あなたの「未来志向」という強みが、集中する対象(戦略5.0)の実現可能性やリスクに対する客観的な分析を曇らせ、「一点集中の罠」に陥る危険性はないか。歴史は、集中する前の徹底的な自己批判の重要性を教えています。
経営コンサルタント としてのコメント
ポジティブなコメント
見事です、米田さん。「時間管理」「貢献」「強み」そして今回の「集中」と、ドラッカーが示す成果をあげるエグゼクティブへの思考のステップを、あなたは完璧にご自身の血肉としています。特に、ご自身の弱みである「時間の過小評価」「急ぎ癖」「マルチタスク」をここまで正直に認め、改善しようとする姿勢こそ、経営者として最も重要な資質です。「戦略5.0」を「明日の仕事」と明確に定義し、そこに集中するという意思決定は、経営者がなすべき唯一最大の仕事、すなわち「未来を創造すること」に他なりません。あなたの資質である「未来志向」や「着想」から生まれる無数のアイデアを、「集中」という強力なレンズで収束させ、一点にエネルギーを投下する。これこそが、「戦略5.0」という壮大な構想を現実のものとするための、唯一にして絶対の成功法則です。
ネガティブなコメント
しかし、敢えて厳しいことを申し上げます。その決意を実行するための「仕組み」はありますか?「過去のものを廃棄する」と口で言うのは簡単です。しかし、具体的に、どの事業を、どのような基準で、いつまでに、誰の責任でやめるのかを決定する「事業棚卸しの会議」は、あなたのスケジュールに組み込まれていますか?「集中」とは精神論や心構えではありません。「何をしないか」を組織として公式に決定し、断行する、冷徹な「意思決定システム」そのものです。あなたの「活発性」という資質は、この痛みを伴う「廃棄」の決断を先延ばしにし、「これも面白そうだ」と次なる新しいテーマに手を出してしまう強い衝動を生むはずです。その衝動をあなた自身が制御するための「仕組み」を意図的に作らない限り、「集中」は一日で破られるただのスローガンに終わってしまいます。

参加者間のコメント交換
生物学者 の感想
今回の議論で改めて感じたのは、生物が常に「探索(Exploration)」と「活用(Exploitation)」というトレードオフに直面しているという事実です。既知の餌場で確実に餌を得る「活用」に集中しすぎれば、環境が変化した時に絶滅する。かといって、未知の餌場を探し回る「探索」ばかりでは、日々のエネルギーを確保できない。ドラッカーの言う「集中」は主に「活用」を指しますが、組織が生き残り、進化し続けるためには、「探索」とのバランスが不可欠なのでしょう。
歴史学者 から 生物学者 へのコメント
「探索と活用」、実に的確な表現です。人類の歴史もその繰り返しでした。大航海時代はまさに未知の世界を求める「探索」の時代であり、その後の植民地経営は発見した富を収奪する「活用」の時代でした。そして、一つの「活用」のモデルに固執した帝国(スペイン、ポルトガル)は、新たな「探索」を始めた後発の帝国(イギリス、オランダ)に覇権を奪われていきました。歴史は、この二つのサイクルのバランスを取ることの難しさと重要性を物語っています。
歴史学者 の感想
米田さんも触れていた「過去のものを廃棄する」というのは、歴史的に見れば「改革」や「革命」を意味します。しかし、歴史上のいかなる改革も、既得権益を持つ守旧派の凄まじい抵抗に遭い、その多くが頓挫してきました。理念として「廃棄」を掲げることと、組織内の人間感情や力学を乗り越えてそれを実行することは、全く次元の異なる問題です。この政治的な困難さを乗り越える覚悟がなければ、「集中」は始まりすらしません。
司会者 から 歴史学者 へのコメント
「政治的な困難さ」、非常に現実的なご指摘、ありがとうございます。つまり、「集中」とは、単に未来に向かって新しいことを始めるというポジティブな側面だけでなく、「何かをやめる、誰かの仕事をなくす」という痛みを伴う政治的な決断でもある、ということですね。公平な視点で見れば、それは組織内のパワーバランスを大きく揺るがす行為であり、極めて慎重なコミュニケーションと手続きが求められると言えそうです。
司会者 の感想
皆様の議論を伺っていると、「集中」とは、単に「一つのことに取り組む」という単純な行為ではないことがよく分かります。それは、過去・現在・未来という「時間軸」と、人・物・金・情報という「経営資源」を、どの「一点」に、どのような覚悟を持って投下するのかという、極めて高度で戦略的な「意思決定」そのものなのだと理解いたしました。
経営コンサルタント から 司会者 へのコメント
「高度で戦略的な意思決定」、その通りです。そして、だからこそ、その意思決定を経営者の気分や思いつきではなく、客観的かつ定期的に行うための「仕組み」が不可欠なのです。例えば、GEのジャック・ウェルチが行ったように、四半期ごとに全ての事業を評価し、「ナンバーワンかナンバーツーになれない事業は、売却・閉鎖する」というような、非情なまでに明確なルールを組織に埋め込むことです。
経営コンサルタント の感想
経営者の仕事は「みんな、集中するぞ!」と号令をかけることではありません。組織が、重要なことに集中「せざるを得ない」環境と仕組みを作り上げることです。特に米田さんのように、ストレングス・ファインダーで「着想」や「活発性」が上位に来るであろうタイプのリーダーは、自らのアイデアの奔流で組織を混乱させないためにも、この「集中せざるを得ない仕組み」が生命線となります。その仕組みこそが、あなたの最大の強みを、最大の成果へと導くのです。
生物学者 から 経営コンサルタント へのコメント
「集中せざるを得ない仕組み」、それは生物が持つ「ホメオスタシス(恒常性)」のメカニズムに酷似していますね。外部からの刺激や内部からの衝動にいちいち反応して体温や血圧を変動させるのではなく、生命活動に最適な内部環境を維持しようとする自動調整機能。経営における「集中」の仕組みとは、組織のエネルギーを無駄に散逸させず、目標達成という一点に向けて内部環境を動的に安定させる、高度なホメオスタシスと言えるでしょう。
司会者 による総括
皆様、本日も示唆に富んだ、本質的な議論をありがとうございました。
米田様がご自身の弱みと率直に向き合う誠実な感想から始まった本日の読書会は、「集中」というテーマが、単なる精神論や時間管理術ではなく、経営そのものであることを浮き彫りにしました。
本日の議論を総括しますと、「集中」とは、以下の三つの要素を含む、包括的な経営コンセプトであると言えます。
1,未来を創造するための「一点」の決定:歴史学者や生物学者が示したように、どの山を登るか(集中する対象)の選択が、組織の運命を決定づけます。米田様が「戦略5.0」をその一点と定めたことは、経営者としての最も重要な第一歩です。
2,過去を廃棄する「痛みを伴う決断」:集中するためには、何かをやめなければなりません。それは歴史学者が指摘したように政治的な困難さを伴い、経営コンサルタントが説いたように、感傷を排した冷徹な決断が求められます。
3,集中を維持するための「動的な仕組み」:一度決めた集中を維持し、リーダー自身の発想の奔流や外部の圧力から組織を守るためには、生物学者が言うところのホメオスタシスのような、自動調整機能としての「経営システム」が不可欠です。
米田様、あなたの「未来志向」「着想」「活発性」といった資質は、「戦略5.0」という未来を描き出す上で比類なき強みとなります。しかし、その強みは同時に、エネルギーを散逸させやすいという弱みと表裏一体です。
だからこそ、本日の議論で明らかになった「集中せざるを得ない仕組み」を構築することが、あなたの強みを真の成果へと転換させる鍵となります。
「ギクリとした」「反省ですね」というあなたの素直な言葉に、私たちはあなたの経営者としての大きな成長可能性を感じています。その誠実さをもって、「戦略5.0」への集中をぜひとも実現してください。
以上をもちまして、本日の読書会を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
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