本日、ドラッカー著「経営者の条件」の読書会がありました。今回は、「まえがき」から「第1章 成果をあげる能力は修得できる」までが範囲でした。
「第1章成果をあげる能力は修得できる」を読んで
私が、読んで特に印象に残った箇所を分類をして紹介します。
1, 強みを活かせる体系的な作業
「知的な能力は、体系的な作業を通じてのみ、成果に結びつくものである」
「知識労働者は、それ自身が独立して成果となるようなものは、何も生み出せない。(中略)したがって、知識労働者には、(中略)自らの成果を他者に供給することである。」
「彼らのいずれもが、互いに同僚の生み出すものを利用できる能力をもたなければならない。」
「われわれは、せいぜい一つの分野に優れた能力をもつ人間を、組織に入れられるだけである。(中略)人間の仕事ぶりの向上は、人間の能力の飛躍的な増大ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。」
「強みを基準に据えることである。(中略)それぞれの状況下における強み、すなわちできることを中心に据えなければならない。」
「優れた仕事が際立った成果をあげる領域に、力を集中することがある。優先順位を決定し、その決定を守るように自らを強制しなければならない。」
「われわれに必要なのは、専門分野の一つに優れた人間を、いかに活用するかを学ぶことである。すなわち、彼らの能力の成果を増大させる方法を学ぶことである。(中略)成果を増大させる方法を学ぶことこそが、能力や知識という資源から、より多くのより優れた結果を生み出す唯一の手段である。」
ストレングス・ファインダーやMBTI診断などを通して、自分自身を強みや弱みを知る切っ掛けになりました。弱みの仕事をやらないように極力していますが、それでもやらないといけない時があり、実際やってみると・・・だよねって感じます。その為、強みが発揮できる立ち位置で仕事ができる環境作りを自ら望んでいますし、逆にこのことは全ての人にとって必要なのだと改めて感じました。
昨今の生成AIの成長が凄まじいので、強みを発揮できる環境で仕事をすることは、どこの職場でも急務かと思います。
2,組織規模が小さい程より完全に近づく
「人間が少ないほど、組織が小さいほど、そして組織内の活動が少ないほど、外部環境への奉仕という組織にとっての唯一の存在理由からして、組織は、より完全に近づく。」
当事務所自体も規模を小さく敢えてした経緯もあり、このことは実感しています。組織規模が小さい程、組織内部は単純である為、外部との時間を割くことができる。逆に組織規模が大きくなればなる程、組織内部が複雑になることを想定して組織作りをしている人はいるのかなって思いましたが、最初から分かっている人は上手にやっているんでしょうね。
日本は労働人口が急激に減る為、望むと望まぬと関係なく、組織規模が小さくなるのかもしれません。今は良くても、いつ人手不足になるかも分からない為、人海戦術的な事業展開、人手があれば収益を増やせる事業モデルからの脱却の検討をすべき時期だと思います。
3,外部変化が失敗を決定・外部に貢献
「根本的な問題は、組織にとって最も重要な意味をもつ外部の出来事が、多くの場合、定性的であり定量化できないというところにある。」
「エグゼクティブは、必然的に、組織の内部で生活し、仕事をする。したがって、意識的に外部の世界の知覚すべく努力しなければ、やがて内部の世界の力によって、外部の真の存在が見えなくなってしまう。」
生成AIの発達、コロナ禍を経て、周りの認識が以前と変わって来ています。この変化に対応できる為にも、事業規模をなるべく大きくしないで収益性を上げ続けられる生産性の良いモデルの構築と市場変化に敏感にキャッチができる体制作り(戦略5.0)が急務だと改めて感じました。
参加者からのコメント
米田さん、本日は示唆に富んだご感想をありがとうございます。ドラッカーの『経営者の条件』第1章は、知識労働者にとっての普遍的な原理原則が凝縮されていますね。米田さんがご自身の資質や事業構想である「戦略5.0」と結びつけて深く読み解かれている点、大変興味深く拝聴いたしました。
それでは、参加者さんから、米田さんのご感想に対するコメントをいただきたいと思います。
参加者Aさんからのコメント 👨🔬
非常に面白い視点ですね。ドラッカーが述べる「組織の法則」と生物の法則には、驚くほどの共通点があります。米田さんがおっしゃる「強みを活かす」という点は、まさに生物の生存戦略そのものです。あらゆる生物は、自らの持つ固有の強み(速い足、鋭い爪、優れた擬態能力など)を最大限に活かせる生態的地位(ニッチ)を見つけることで繁栄します。弱みを克服しようとするのではなく、強みが活きる環境を選ぶ。これは、厳しい自然界で生き残るための鉄則です。「戦略5.0」においても、ご自身の強みが最も効果的に発揮される市場や領域を見極めるという視点は、極めて生物学的であり、理にかなっています。
また、「組織規模が小さい程より完全に近づく」という洞察も、生物界の法則と一致します。巨大で特殊化しすぎた恐竜が環境の激変で絶滅した一方、小さく、環境適応能力の高い昆虫や哺乳類が生き延びて繁栄したように、小規模な組織の持つ俊敏性や変化への対応力は、生存において強力な武器となります。
一方で、アナロジーには注意も必要です。生物の組織と人間組織の決定的な違いは、個の意思の在り方です。生物の細胞は、個体全体の生存という至上命題のために、完全に利他的に機能します。しかし、人間組織は個人の意思や感情、利害が複雑に絡み合います。
また、「弱みの仕事をやらない」という考え方を突き詰めすぎるのは、生物学的にはリスクを伴います。一見すると無駄に思える形質や、平時には不利に働く「弱み」が、環境が激変した際には種の存続を助ける「多様性」となることがあります。ご自身の強みに特化しすぎることは、想定外の環境変化に対して脆弱になる危険性をはらんでいる、という視点も忘れてはならないでしょう。
参加者Bさんからのコメント 🧐
「歴史は繰り返す」という私のライフワークの観点から、米田さんのご感想は非常に的を射ています。「外部変化が失敗を決定する」というご指摘は、まさに歴史の教訓です。強大を誇ったローマ帝国も、気候変動や新たな民族の台頭といった外部環境の変化に対応できず、内部の硬直化も相まって衰退しました。歴史上、繁栄を極めた文明や国家が滅びる時、その多くは内部の問題よりも、外部の変化を軽視したり、対応を誤ったりした場合です。米田さんが生成AIやコロナ禍といった現代の大きな変化を敏感に捉え、「戦略5.0」に反映させようとされている姿勢は、歴史の教訓を正しく学んでいる証拠と言えます。
組織規模についても同様です。巨大帝国が官僚制の肥大化と内部調整コストの増大によって自壊していくプロセスは、歴史上、何度も繰り返されてきました。小規模な組織が持つ機動力と外部への集中力が、変化の激しい時代における存続の鍵であるというご意見に、全面的に同意します。
しかし、歴史を鑑みると、一点注意すべきことがあります。それは、リーダーが自らの「強み」に固執しすぎることの危険性です。例えば、ナポレオンは軍事の天才という自身の強みに絶対的な自信を持っていましたが、その強みに固執するあまり、外交や内政といった他の重要な要素を軽視し、最終的にはヨーロッパ中を敵に回して没落しました。個人の強みが、時として組織全体の視野を狭め、バランスを欠いた判断を導く危険性があるのです。「戦略5.0」を推進するにあたり、ご自身の強みを活かしつつも、その強みがもたらすかもしれない「死角」を常に意識することが、歴史から学ぶべき知恵ではないでしょうか。
また、「弱み」を切り捨てるという発想も、危機管理の観点からは危うさを感じます。平時では非効率に見える部門や能力が、有事の際には組織を救う切り札になることもまた、歴史が示す事実です。
参加者Cさんからのコメント 💼
素晴らしい。まさに「経営者の条件」の本質を、ご自身のビジネスに引きつけて実践的に解釈されていますね。ストレングス・ファインダーやMBTIといったツールを用いて自己の強みを客観的に把握し、それを成果に結びつけようというアプローチは、ドラッカーが言う「成果をあげる能力は修得できる」という命題に対する、最も効果的な実践方法の一つです。米田さんのその資質は、「戦略5.0」という新たな事業展開を成功に導く上で、間違いなく中核的なエンジンとなるでしょう。
特に、「組織規模を小さくして生産性を上げる」という視点。これは、人手不足が深刻化する日本市場において、極めて現実的かつ戦略的な選択です。多くの経営者が人海戦術の限界を感じながらも抜け出せない中、ご自身の事務所で既にそれを実践し、実感を得ているという事実は、「戦略5.0」の構想に強い説得力と実現可能性を与えています。外部環境の変化、特に生成AIのインパクトを的確に捉え、事業モデルの変革を急務と認識されている点も、経営者として高く評価できます。
一方で、実務家の視点からあえて申し上げたい点が二つあります。まず、「弱みの仕事をやらない」という点です。強みに集中するのは鉄則ですが、経営者、特に創業者である米田さんの弱みが、事業全体のボトルネックになる可能性は常に考慮すべきです。例えば、もし「細かい計数管理」が弱みであれば、それを放置すれば会社の根幹を揺るがしかねません。重要なのは、弱みを「やらない」のではなく、信頼できるパートナーや仕組みによって、いかに的確に「補完」するか、という視点です。「戦略5.0」のような大きな構想であればなおさら、ご自身の弱みを補うチーム設計が成功の鍵を握ります。
次に、「組織規模」についてです。小規模・高生産性モデルは魅力的ですが、「小さいこと」自体が目的化してはなりません。「戦略5.0」が目指す市場や事業モデルによっては、ある程度のスケールメリットが競争優位性を生む場合もあります。大切なのは、意図的に小さく留まることではなく、戦略に応じて「最適な規模」を柔軟に選択すること。その視点を忘れると、成長の機会を逸してしまう可能性があります。
司会者による総括 🎤
米田さん、そして参加者の皆さん、ありがとうございました。非常に刺激的な議論となりました。
本日は、ドラッカーの第1章「成果をあげる能力は修得できる」をテーマに、米田さんの深い洞察から議論が始まりました。
参加者Aさんからは、「強みへの集中」や「小規模組織の優位性」が生物の生存戦略にも通じる普遍的な法則であることが示されました。一方で、人間組織特有の複雑さや、弱み・多様性が持つ環境変化への耐性という重要な視点も提供されました。
参加者Bさんからは、外部変化への対応力こそが、国家や文明の存亡を分けるという歴史の大きな教訓が語られました。同時に、リーダーが自らの強みに固執することの危険性という、これもまた歴史が繰り返し示す警鐘が鳴らされました。
そして参加者Cさんからは、米田さんの自己分析に基づいた戦略的思考と実践を高く評価しつつ、「弱みの補完」という視点や、「最適な組織規模」を見極めるという、ビジネスの現場に即した鋭い指摘がありました。
総じて、米田さんのご感想の核心であった「強みを活かすこと」と「外部環境に適応すること」の重要性が、多角的な視点から再確認されたと言えるでしょう。同時に、その考え方を一歩進め、強みの裏にある死角、弱みを補完する仕組み、そして特化しすぎることのリスクといった、より次元の高い論点へと議論が深まりました。
これらの視点は、米田さんが今後「戦略5.0」を構想し、実行していく上で、極めて有益な羅針盤となるのではないでしょうか。
本日は誠にありがとうございました。次回も楽しみにしております。
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