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武家の娘の心得

明治生まれの祖母の薫陶を受け育った文筆家の石川真理子さん。元米沢藩士の家に生まれた祖母から受け継いだ武家の娘の心得や日本人の誇るべき精神は、まさしく、万事入精の心に通じるものであった。

 文筆家・石川真理子さんの祖母は、元米沢藩士の家に生まれ武家の教えを精神を余さず受け継いでいた。嫁ぎ先でも起業した夫を支え、その死後も一族の精神的支柱として皆を支えていたという。石川さんはそんな祖母と一二歳まで過ごし、礼儀作法や言葉使い、日常生活での所作を細かく躾けられて育てられた。しかし、時代は高度成長期。旧来のしきたりにとらわれない自由な生活へと移っていく中で、石川さんは祖母の教えに不自由さを覚え、次第に否定しながら生きるようになったそうだ。
その頃は大学でも就職先でも周囲との衝突が絶えず、心の内はいつも不安定。人生に行き詰まりを感じていた。なぜ自分はこんなに弱いのだろう―――。落ち込む石川さんの脳裏に蘇ったのは、祖母の凛とした佇まいとその教えだった。大人の目で改めて祖母と向き合い、実感したのはその芯の強さ。そして他ならぬ武家の家風によって培われた日本人としての精神。日本人ってなんだろう。そんな関心を抱いた石川さんは新渡戸稲造の『武士道』を一読し、深い共感を覚えたと同時に、その内容が祖母からの教えそのものであったことに驚きを禁じ得なかった。
「武士道は神棚に飾っておくものではありません。自分の生活に生かしてこそ価値があります」と石川さんは語る。つまるところ、挨拶の仕方、食事の仕方、人との接し方、姿勢、表情、言葉遣いといった一つひとつの些事にも心を込めること、万事入精の心がけによって武士道は生きてくるのだという。
一人の女性として、武家の娘として、その凛とした生き方や教えは石川さんの心の中で生き続けている。人の肉体は滅んでも、受け継がれる精神はいつまでも輝き続けるのだ。社会で活躍している女性が多い半面、心の中にどこか虚しさを感じている人も多い。「生き方に一本筋の通ったところがないのが気掛かり、根無し草のように漂っているように思えてならない」そう語る井上さん。
現代社会で自分の生き方を見いだせない人は、決して少なくない。過去の石川さんのように、不安を抱えて先が見えなくなってしまうこともあるだろう。そんな時こそ、日本人としての精神とはなにか、考えてみてはどうだろうか。
石川さんの祖母の教えは、辛い時こそ前を向いて強く生きよという凛とした日本人の精神を、次代へ伝えていく指標そのものなのだ。

「泣いてすませるというのは、卑怯者の振る舞いなのですよ。泣きたいことがあっても、グッと堪えて、背中をしゃんと伸ばして対処するようにしてごらん。それでこそ強い心が育つのです」

致知9月号「武家の娘の心得」より



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