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画家中川一政の歩いた道

中川一政。洋画、水墨画、版画、陶芸、詩作、和歌、随筆、書など多彩な作品をすべて独学で手がけた画家である。平成3年に97歳で亡くなるまで生涯現役を貫き、その作品は年齢を重ねる度勢いを増し、画家としてのその生き様は正に一刹那正念場を体現したものであった。

中川一政。洋画、水墨画、版画、陶芸、詩作、和歌、随筆、書など多彩な作品をすべて独学で手がけた画家である。平成3年に97歳で亡くなるまで生涯現役を貫き、その作品は年齢を重ねる度勢いを増し、画家としてのその生き様は正に一刹那正念場を体現したものであった。
製作中のアトリエに人を入れるのを拒み、一心にキャンバスに向かい筆を走らせる。頑固で気難しい昔ながらの職人気質のようだ。実際中川氏がアトリエ内でモデルにしたのは家族とヒマワリ、バラくらいだったという。NHKで制作風景が放映された際、30分間禅僧のように一心不乱に無言で描き続けていた。制作が進むにつれて、目は爛々と輝き、身体の動きは激しくなる。絵の具を塗り付けたかと思えばパレットナイフで削り取る。チューブからパレットに絵の具を出すと、チューブをあたりかまわず投げ飛ばす。三位一体の渾然とした力で画布に挑み掛かっていたという。
中川氏と交流のあった画廊会長の吉井長三氏は、中川氏について「求道者のようなイメージがあった」と語る。また、美術家の清水義光氏は、「人に対して優しくなる一方、自分に対して厳しい人だった」と語った。中川氏の、書についての講演があった際、清水氏はその趣旨をこう解釈した。
「【我を学ぶ者は死す】。人は本当に大切なことは教えられない。自分で掴む以外にない。自分が学んで手応えを積み重ねるのが本当の自信になる。本当にその人を尊敬するなら、決して真似はいけないということだ」と。
NHKの制作の際、モデルであった吉田氏に制作の最後の段階で中川氏は「絵は最後の5分間で決まるのだよ」と告げた。最後というのは、人物の目の部分だが、ここで絵の生き死にが決まるのだと、随分難渋していたそうだ。
画家はリアリストでなくてはならない。山も花も常に変化している。だからこそ一刻の猶予もなく、絵筆を走らせなくてはならない。息が詰まるような世界で、一刹那正念場の生き方を貫いたのだ。
キャンバスへのひと塗りごとの一瞬一瞬に今までの人生の経験を全てをぶつけ、生涯現役を貫いた画家の手本のような中川氏の人生は、一つの道を極める職人のようだ。それも、すべて独学だというから、驚きを隠せない。だからこそ、「自分が学んで手応えを積み重ねるのが本当の自信になる」という言葉も納得できる。自分の道は自分で学び切り開かなくては、意味がない。中川氏が遺した誰かの真似ではなく、自分のやり方を見つけることが非常に重要なのだと感じた。

私が探し求めていたものは何だ。
それは手答えである。
手答えがあれば人が何と云おうとよいと思い、
手答えがなければ人が讃めても満足できない。

中川一政

致知8月号
画家 中川一政の歩いた道 より



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