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歌舞伎一筋に生きて

 歌舞伎俳優五代目坂東玉三郎。平成24年、重要無形文化財保持者に認定され歌舞伎の女形で唯一の人間国宝となった、奇跡の女形である。梨園の出でないばかりか小児麻痺の後遺症と闘い克服し、舞台に立ち一線で活躍し続ける玉三郎氏の半生は、歌舞伎一筋に生きる芸の道そのものであった。

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 音楽をかければ踊る子だった、そういう性分だったのだろう。玉三郎氏は自身の幼少期をこう語った。生家が料亭だったため、花柳界とも縁があった玉三郎氏は、小児麻痺のリハビリのために舞踊を習いはじめ、6歳の頃風邪をひいても自宅の廊下で稽古をしていた。それは、「風邪をひいても稽古はやるべきだ」という意識ではなく、ただ踊りたいという一心だった。舞踊の魅力に取り憑かれた玉三郎氏は、稽古の縁で後の養父となる十四代目守田観彌に弟子入りをすることとなる。養父は、とにかく厳しい人だった。朝から晩まで「褒めることは毒」「いいと思ったら、そこで終わりだ」。養母で舞踊家の藤間勘紫恵も非常に厳格で勤勉な人だったため、実生活で少しでも気の届かないことをしたら本当に叱られたそうだ。しかし、徹底的に叩き込まれた基本が、歌舞伎俳優としての土台となったと玉三郎氏。

 若くして脚光を浴び活躍してきた玉三郎氏だが、それ故に仕事は絶えなかった。2年半、1日も休みが取れない時期があった。次々に役が舞い込み、取材や踊りの会があり千秋楽の次の日にはすぐ次の稽古。1日3、4役。多い日は5役ある。そんな生活が30ヶ月も続いたところで、心身の許容量を超えてしまった。仕事は続けたが心身症になり、舞台から引いたらもう人と話せなくなってしまったという。ごはんも喉を通らなくなったため、とうとう医者に舞台を降りられるよう処方箋を書いてほしいと頼んだ。ところが、医者は舞台に立ち続けなさい、行ってダメなら代役を立てて戻ってきなさいと言ったのだ。そうして巡業に出てみると、憑き物が落ちたように2,3日で治ってしまった。以降も玉三郎氏は同じような症状に何度も陥るが、仕事を休むことはなく、転地療法と時間の経過という方法で乗り切ってきた。玉三郎氏は長身であるが故、女形として体を小さく見せるため舞台に立っているため身体にも大きな負担がかかっている。一場一場に全神経を注ぎ必死に舞台に立ち続けた多くに苦しみがあった。その中に楽しさは1割2割程度しかない。しかし、苦を忘れるために一生懸命になって夢中になる。明日また舞台に立つことだけを考えて進んでいくのだ。

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 厳しい師であり親でもある養父母を始め、二代目尾上松緑、十七代目中村勘三郎など偉大な先人たちの教えに導かれた玉三郎氏が人間国宝認定の話を受ける際、自分には相応しくないが、先輩から受け継いできたものを後進へと継承するために引受せざるを得ないと思ったそうだ。ところが、現在の芸道を修行する環境は伝承が難しいのも確かだという。同じ人間国宝である狂言家・山本東次郎の「技術は伝えることができるが、道というものを伝えられない時代になった」という言葉を出してこう語った。
「踊りの技術は教えられるけれども、芸道に対して脇目も振らず進んでいくことは教えられないし、そういう生き方が本当に難しい時代になりました」。アナログからデジタルへ時代が切り替わり、道筋が見えないオン・オフ、0か1の時代になってしまった。ひとつの道を究めるためには道筋が必要なのに、そういう生き方が出来なくなってしまい若い世代が道というものを理解できない時代になってしまったのだ、と。だが玉三郎氏は日本の若者にも歌舞伎の将来にも絶望はしていないという。こういうものは飛び火するのだ、と。
「直に会っていなくても伝わるものはある。先人たちから受け継いだ歌舞伎の精神が、いつかどこかで誰かに飛び火してオン・オフの時代に飽き足らず道を求める若者が出てくるのではないか。だから今は、自分がしっかり生きていく。飛び火することを祈ってきょうに最善を尽くし、行き届いた時間を過ごすしかない」。

 終わりのない芸の道を、ただひたすらに進み登り続けて行った玉三郎氏。一刹那正念場の思いを抱いて64歳となった現在も、目の前の舞台に立ち続けていくその姿は、自身が貫いてきた歌舞伎の道そのものである。その思いは、彼が若き日に導かれた先人達と同様に、道を求める若者の目に焼き付き道を示していくのだ。

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